その色で説明されても、私には分からない
「この資料、カラーユニバーサルデザイン(CUD)に配慮してますよ」
そう言われた資料を見て、私は一瞬だけ安心した。けれど、次の瞬間には違和感を覚えた。
強調に使われていたのは赤と緑。グラフの凡例は色だけで、文字の説明もなかった。
──これ、本当に“見やすい”のだろうか?
よくある「CUD配慮」の説明は、伝わらないこともある
「この色はJIS規格準拠で、色覚異常の人にも見分けやすいです」
「この2色の組み合わせは区別できるはずです」
でも、色覚異常の当事者である私からすると、“その色そのものが分からない”ことがある。
配色サンプルの図を見せられても、「違いが分からない」ことの方が多い。
見え方が違うという前提があるのに、“色だけで説明される”──それがそもそも伝わらないのだ。
「色だけに頼らない設計」こそが、ほんとうのCUD
CUDは、単に「色覚異常者のため」ではなく、すべての人にとって“伝わる”ように設計すること。
そのために必要なのは、「誰にでも色が見える」前提をやめることだ。
- 📈 折れ線グラフ:色分けだけでなく、線種(実線・点線)で差別化
- 🟡 円グラフ:ラベルや割合を色の内側に直接表示
- 📋 凡例:色+文字+アイコン(■、●、▲)など複数の要素を組み合わせる
“伝えること”を諦めないデザインが、CUDの本質だと思う。
でも右のように線の違いもあれば、ひとめでグラフが読み取れます。
私が実際に助かった配慮・工夫
- ✔ 色だけでなく線の種類や太さで情報を分けていたグラフ
- ✔ 色分けの凡例に必ず文字が併記されていたスライド
- ✔ ラベルがグラフの内側に直接記載されていた円グラフ
これらは、私にとって「ちゃんと理解できた」という成功体験をくれた。
Color:Reから伝えたいこと
カラーユニバーサルデザインは、色覚異常者だけのものではありません。
“色だけに頼らない”という視点が、すべての人にとってやさしい世界をつくる。
「見えにくい人がいるかも」という想像力が、たった1行のラベルを生み、1本の実線を変える。
それだけで、「見える人」「見えにくい人」が分断されずに、同じ資料を“理解する”ことができるのです。
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