「その色で説明されても、私には分からない」 色覚異常の目線で考える、本当のカラーユニバーサルデザイン。

2025年4月19日土曜日

CUD 見え方の体験談 仕事での見え方の違い

t f B! P L

その色で説明されても、私には分からない


「この資料、カラーユニバーサルデザイン(CUD)に配慮してますよ」

そう言われた資料を見て、私は一瞬だけ安心した。けれど、次の瞬間には違和感を覚えた。

強調に使われていたのは赤と緑。グラフの凡例は色だけで、文字の説明もなかった。

──これ、本当に“見やすい”のだろうか?




よくある「CUD配慮」の説明は、伝わらないこともある

「この色はJIS規格準拠で、色覚異常の人にも見分けやすいです」

「この2色の組み合わせは区別できるはずです」

でも、色覚異常の当事者である私からすると、“その色そのものが分からない”ことがある。

配色サンプルの図を見せられても、「違いが分からない」ことの方が多い。

見え方が違うという前提があるのに、“色だけで説明される”──それがそもそも伝わらないのだ。




「色だけに頼らない設計」こそが、ほんとうのCUD

CUDは、単に「色覚異常者のため」ではなく、すべての人にとって“伝わる”ように設計すること。

そのために必要なのは、「誰にでも色が見える」前提をやめることだ。

  • 📈 折れ線グラフ:色分けだけでなく、線種(実線・点線)で差別化
  • 🟡 円グラフ:ラベルや割合を色の内側に直接表示
  • 📋 凡例:色+文字+アイコン(■、●、▲)など複数の要素を組み合わせる

“伝えること”を諦めないデザインが、CUDの本質だと思う。



私には、左の色で分けられた線は、青は分かるけどあとの2本の色は分かりません。

でも右のように線の違いもあれば、ひとめでグラフが読み取れます。




私が実際に助かった配慮・工夫

  • ✔ 色だけでなく線の種類や太さで情報を分けていたグラフ
  • ✔ 色分けの凡例に必ず文字が併記されていたスライド
  • ✔ ラベルがグラフの内側に直接記載されていた円グラフ

これらは、私にとって「ちゃんと理解できた」という成功体験をくれた。




Color:Reから伝えたいこと

カラーユニバーサルデザインは、色覚異常者だけのものではありません。

“色だけに頼らない”という視点が、すべての人にとってやさしい世界をつくる。

「見えにくい人がいるかも」という想像力が、たった1行のラベルを生み、1本の実線を変える。

それだけで、「見える人」「見えにくい人」が分断されずに、同じ資料を“理解する”ことができるのです。



#色覚異常とCUD #伝わる配色 #ColorRe #カラーユニバーサルデザインとは #色に頼らない資料設計

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プロフィール

色覚異常の社会人。 普通の生活ができないわけではないけど、色覚が普通にハンデになることも多い。 何か同じように気になる人がいれば共感して一緒に考えたいと思っている。

どうして自分だけが? 色覚異常と“遺伝”という目に見えないつながり 「なんで私だけが、色がわからないんだろう?」 子どものころからずっと不思議だった。 家族に色覚異常の人はいないし、誰にもそんな話を聞いたことがなかった。 でも、...

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