赤いって、どういうこと?
焼肉をしていたある日、私はいい匂いがしてきた頃を見計らって、 焼けたと思ったお肉を箸でつかんだ。
すると隣にいた人が言った。 「え、それまだ赤いよ。大丈夫?」
私は少し驚きながら「そうなの?」と返した。 でも、心の中では“どこがどう赤いのか”が分からなかった。
「焼けた=色が変わる」という世界
あとから知ったことだけど、 肉の焼き加減は「赤→ピンク→茶色」と色で判断する人が多いらしい。
赤身の中心が少しピンクならレア。 茶色くなってきたらミディアム、もっと火が入ればウェルダン。
でも、私には“赤い”という状態がよく分からない。
見えていないわけではないけれど、赤と茶色の境界線は曖昧。 火が通っているかどうかを、色では判断できない。
私は音とにおいで判断していた
ジュウジュウという音が強くなって、 肉の表面から湯気が立ち始めたとき。
焦げる手前の香ばしいにおいがしたとき。
私はそれを“焼けたサイン”として信じていた。
だからこそ、「まだ赤いよ」と言われたとき、 「見た目でそんなことまで分かるんだ…!」と軽くショックを受けた。
「赤いから食べちゃダメ」と言われたことも
一度、焼肉で「いい感じに焼けたな」と思って口に運ぼうとしたとき、 先に口に入れた友人が「あ、それまだ赤いよ」と止めてくれた。
私にはその違いが分からなかった。 でも、その友人は「真ん中がちょっとレアすぎるかも」と言っていた。
私は火の入り具合を、色ではなく「感覚」でしか掴んでいなかったのだと、そのとき初めて気づいた。
色で判断できなくても、食べ物を楽しめる
今でも焼き加減を“色で確認する”ことは難しい。
でも、焦げる匂い、油の弾ける音、トングで持ったときの感触など…
五感をフル活用することで、私は自分なりに「おいしさのタイミング」をつかんでいる。
「赤いって何?」「火が通ったってどうやって分かるの?」
それは“色が見えること”が当たり前の世界にいる人には、なかなか想像できないことかもしれない。
Color:Reから伝えたいこと
色覚異常は、料理のような何気ない場面でも、ちょっとした戸惑いを生む。
でもそれは、世界を違う感覚で味わっているということでもある。
色が見えにくくても、私はちゃんと「おいしい」を知っている。
そして、「焼けた?」「まだ赤い?」と確認し合える関係こそが、 本当の安心につながるのだと思う。
#焼き加減が分からない #色覚異常と料理 #赤い肉がわからない #ColorRe #五感で感じるおいしさ
0 件のコメント:
コメントを投稿