「え?焼肉が焼けたかって色で判断してるの?」 焼肉の焼き加減が“わからなかった”理由。

2025年4月19日土曜日

見え方の体験談 生活での見え方の違い

t f B! P L

赤いって、どういうこと?


焼肉をしていたある日、私はいい匂いがしてきた頃を見計らって、 焼けたと思ったお肉を箸でつかんだ。

すると隣にいた人が言った。 「え、それまだ赤いよ。大丈夫?」

私は少し驚きながら「そうなの?」と返した。 でも、心の中では“どこがどう赤いのか”が分からなかった。




「焼けた=色が変わる」という世界

あとから知ったことだけど、 肉の焼き加減は「赤→ピンク→茶色」と色で判断する人が多いらしい。

赤身の中心が少しピンクならレア。 茶色くなってきたらミディアム、もっと火が入ればウェルダン。

でも、私には“赤い”という状態がよく分からない

見えていないわけではないけれど、赤と茶色の境界線は曖昧。 火が通っているかどうかを、色では判断できない。




私は音とにおいで判断していた

ジュウジュウという音が強くなって、 肉の表面から湯気が立ち始めたとき。

焦げる手前の香ばしいにおいがしたとき。

私はそれを“焼けたサイン”として信じていた。

だからこそ、「まだ赤いよ」と言われたとき、 「見た目でそんなことまで分かるんだ…!」と軽くショックを受けた。




「赤いから食べちゃダメ」と言われたことも

一度、焼肉で「いい感じに焼けたな」と思って口に運ぼうとしたとき、 先に口に入れた友人が「あ、それまだ赤いよ」と止めてくれた。

私にはその違いが分からなかった。 でも、その友人は「真ん中がちょっとレアすぎるかも」と言っていた。

私は火の入り具合を、色ではなく「感覚」でしか掴んでいなかったのだと、そのとき初めて気づいた。




色で判断できなくても、食べ物を楽しめる

今でも焼き加減を“色で確認する”ことは難しい。

でも、焦げる匂い、油の弾ける音、トングで持ったときの感触など…

五感をフル活用することで、私は自分なりに「おいしさのタイミング」をつかんでいる。

「赤いって何?」「火が通ったってどうやって分かるの?」

それは“色が見えること”が当たり前の世界にいる人には、なかなか想像できないことかもしれない。




Color:Reから伝えたいこと

色覚異常は、料理のような何気ない場面でも、ちょっとした戸惑いを生む。

でもそれは、世界を違う感覚で味わっているということでもある。

色が見えにくくても、私はちゃんと「おいしい」を知っている。

そして、「焼けた?」「まだ赤い?」と確認し合える関係こそが、 本当の安心につながるのだと思う。


#焼き加減が分からない #色覚異常と料理 #赤い肉がわからない #ColorRe #五感で感じるおいしさ

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プロフィール

色覚異常の社会人。 普通の生活ができないわけではないけど、色覚が普通にハンデになることも多い。 何か同じように気になる人がいれば共感して一緒に考えたいと思っている。

どうして自分だけが? 色覚異常と“遺伝”という目に見えないつながり 「なんで私だけが、色がわからないんだろう?」 子どものころからずっと不思議だった。 家族に色覚異常の人はいないし、誰にもそんな話を聞いたことがなかった。 でも、...

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