色覚検査で“異常あり”と言われた日 色のテストが教えてくれた、自分の“見え方”。
「この中に数字が見えますか?」
検査担当の先生にそう言われて渡されたのは、 緑や赤の点で描かれた丸い図柄。
でも、私にはそこに数字らしいものは見えなかった。
というより何を質問されているのかよく分からなかった。
その日、私は色覚異常の可能性ありと診断されました。
色覚検査ってどんなもの?
色覚検査にはいくつかの種類があります。ここでは代表的な3つをご紹介します。
① 石原式色覚検査表
最もよく知られている検査です。 色のついた点で描かれた円形の図を見て、その中の数字や線を読むテストです。
✔ 学校健診や企業健診でも使われる
✔ 数字が読めない場合、色覚異常の可能性が高い
世界的にもっとも広く使われている色覚検査 多数のカラフルな点(色相差)で構成された円形プレート 中に数字や線が隠されており、それが読めるかどうかで判定
主に**赤緑系の色覚異常(1型・2型)**の有無を簡易的に判断 色覚異常の有無は分かるが、程度や詳細なタイプは不明
- 1枚ずつプレートを見せられ、書かれている数字を答える
- 問題数は24枚〜38枚ほど(簡易版もあり)
- 短時間・低コスト・誰でも簡単に実施できる
- 小学校や企業健診などでもよく採用される
- 照明条件や印刷状態で見え方に差が出る
- 視力が低い人、読み書きが苦手な人には不向きなことも
- 色の“見え方の傾向”は分からない
② パネルD-15テスト
色のついたキャップを、色味の近い順に並べる検査です。
- ✔ 色相感覚の傾向や重症度がわかる
- ✔ 眼科や職業適性検査で使用
- ✔ 並び方の“軌道”から見え方の特性を分析
📌 概要
- 15個の色付きキャップを、見た目の色順に並べる検査
- 「色相(色味)の連続性」が正しく把握できているかを見る
- 色相の識別能力を確認(特に赤緑系・青黄系の異常の傾向)
- 色覚異常の“タイプ”と“重症度”の目安をつかめる
- 固定された基準色(Anchor)からスタート
- 残りの14個を順番に並べていく
- 並び方の“軌道”を分析することで色覚異常のタイプを判断
- 色覚の傾向や重症度がある程度明らかになる
- 説明しづらい“見え方のズレ”を可視化しやすい
- 一般的な学校健診では使われない(医療機関で実施)
- 少し時間がかかる/配色がわかりにくい人には混乱しやすい
🧠 判定できること
📝 実施方法
✅ メリット
⚠ 注意点
③ アノマロスコープ
赤と緑の光を混ぜて黄色と一致させる検査。 高精度な診断が可能ですが、実施できる施設は限られています。
- ✔ L錐体とM錐体の感度を数値化
- ✔ 正確な色覚タイプの判定が可能
- ✔ 医療機関や研究用として使用
📌 概要
- 非常に精密な光学機器を使って色のマッチングを調べる検査
- 対象者が赤+緑の比率を調整して黄色と一致させる課題
- L錐体とM錐体(赤緑)の反応比率の精密な測定
- 「1型(赤)」「2型(緑)」の区別と重症度まで明確にわかる
- 円形の光を2分割表示:上が赤緑の混合、下が基準の黄色
- 上下が見た目で一致するよう、赤緑の比率を微調整する
- 色覚異常の「タイプ」+「重症度」まで科学的に診断可能
- 研究や職業適性の判断基準にも用いられる
- 検査器が非常に高価・実施できる施設が限られている
- 時間がかかり、検査環境の整備も必要
🧠 判定できること
📝 実施方法
✅ メリット
⚠ 注意点
検査を受けて分かったこと
色覚異常と診断されたとき、最初は「自分に何か欠けている」と思ってしまいました。
でもそれは、病気ではなく、“見え方のバリエーション”なんだということを、 検査後に先生が丁寧に説明してくれて、少し安心できました。
色覚検査は、私にとって「自分を知る」大きなきっかけになりました。
Color:Reから伝えたいこと
色覚検査で「異常あり」と言われても、それは終わりではなく始まりです。
見え方に気づくことで、生活や仕事の中でどう工夫していくかが見えてきます。
自分の見え方を知ることは、自分を大切にする第一歩。
そして、それは誰かを理解するためのヒントにもなります。
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